【ECスタートアップ】自社ECとECモールのメリットとデメリット
2023.12.25店舗運営
EC運営をはじめるうえで、自社ECで運営を行うかECモールで運営を行うか悩む方も多いのではないでしょうか。
自社ECとECモールで必要な準備や費用・収益なども変わってくるため、慎重に選択を行わなければいけません。
自社ECとECモールの違いを紹介するので、EC運営の参考にしてください。
目次
自社ECとECモールの違い
自社ECとECモールでは、準備にかかる時間や必要な費用など、異なる点がたくさんあります。自社にあった形で運営が行えるように、それぞれの違いを確認していきましょう。
自社ECとECモールの概要
自社ECとECモールとはどのようなものか、正しく理解できていますか。自社ECとは独自ドメインを取得して、企業が独自運営するECのことです。
一方、ECモールは楽天やAmazonのように複数の事業者が出店しているインターネット上のショッピングモールのことで、このショッピングモールに出店してEC運営を行っていくことになります。
準備
自社ECで運営を行う場合はサイトを一から構築することになるので、準備にそれなりに時間が必要です。デザインの考案やサイトの制作、他にも制作会社に依頼する場合は会社の選定も必要になりやるべきことはたくさんあります。
一方、ECモールではプラットフォームが用意されているので、比較的短時間でサイトの立ち上げを行うことが可能です。ただ、ある程度形が決められているため、自由な設計はしづらくなっています。
費用
自社ECはデザインや機能性などサイト作成にどれだけこだわるかによって、必要な費用は変わってきます。無料カートを使って初期費用0円で始めることもできますし、フルスクラッチ開発のように数千万円の初期費用がかかるものもあります。ECを立ち上げた後は、出店料などの費用がかかることはありません。
ECモールの場合は利用するECモールにもよりますが、中には初期費用0円で運営をはじめられるものもあります。また、立ち上げ後は月額費用や出店料、商品が売れるたびに販売手数料が必要になることもあります。ECモールの費用は各社それぞれ異なるので、しっかりチェックしておきましょう。
収益
自社ECは販売手数料がかからないため、ECモールに比べて利益幅は大きくなります。ただ、一から集客していかないといけないため、収益を得るまでに時間を要するケースもあります。
ECモールの場合は販売手数料が必要となるため、利益幅は小さくなります。ただ、モール自体に知名度があるため集客力が強く、出店から短期間で収益を得やすくなっています。
マーケティング
自社ECの場合は、自由に独自のマーケティングを展開していくことが可能です。自由度が高い分、マーケティングの知識は必要になります。
ECモールは仕様に沿った範囲でしかマーケティングが行えないため、自由度は低くなっています。ただ、サポート体制が整っており、知識が浅くてもマーケティング戦略を立てやすいというメリットはあります。
物流
商品の管理や発送は自社EC、ECモール共に、基本的には自社で行うようになっています。ただ、Amazonのように商品の発送から保管・梱包・返品まで、全て担ってくれるサービスが提供されているケースもあります。
【参考】主要カート6社
自社ECを構築する場合は、ECカートの導入が必要になります。主要カート6社を紹介するので、自社に合ったECカートを探してみてください。
Shopify
Shopifyは国内だけでなく、世界の170万店舗以上が活用するECサイトのプラットフォームです。サイトデザインは70種類以上のテーマが用意されており、多様な業種に対応しています。マーケティングやSNS連携など便利な拡張機能アプリが2,000種類以上用意されており、機能を追加していくことも可能です。 Googleやinstagramなど多くの外部サービスと連携し売ることもできます。
引用元:Shopify
BASE
BASEは4年連続ネットショップ開設No.1の実績をもつ、ECサイトプラットフォームです。登録料・月額利用料が無料となっており、コストをかけずにネットショップを開設することができます。BASEのアプリは800万人以上が利用していて、集客も見込めます。クーポンの作成やインスタグラムでの販売など多彩な拡張機能も用意されていて、ショップの成長に合わせて機能を充実させていくことが可能です。
引用元:BASE
カラーミー
カラーミーは、低コストでEC運営が行えるのが特徴の一つです。販売手数料はプランを問わず一律無料で、フリープランであれば月額費用・初期費用も無料となっています。電話やメールでのサポートに加え、セミナーの開催や何度も見返し可能な運営ノウハウの詰まった動画の配信など多彩な形で運営のサポートが行われています。
引用元:カラーミー
Make Shop
Make Shopは9年連続ショップ売上No.1に輝くECサイトプラットフォームで、コストパフォーマンスの高さが魅力の一つです。月額費用・初期費用は発生しますが、販売手数料は一切かからないため売れば売るほど利益幅が増大していきます。クレジットカード決済手数料も3.14%~と、業界最安の水準になっています。2店舗目以降は初期費用無料と、コストを抑えて店舗を拡大していくことが可能です。
引用元:Make Shop
EC CUBE
EC CUBEはカスタマイズ性の高さが魅力の、ECサイトプラットフォームです。ストアには800種類以上と豊富なプライグインが用意されており、思い通りのストアが構築しやすくなっています。5万人以上が利用するコミュニティや有志での勉強会の開催など、ユーザー同士のつながりも強く困ったときに相談ができる体制が整っているのでスムーズな運営がしやすくなっています。
引用元:EC CUBE
EC FORCE
EC FORCEは平均年商2億円以上、CVR380%アップ、成長率265%アップの実績を持つ、法人向けのECカートです。継続率は99.75%と、ユーザーからの信頼度も高くなっています。パーソナライズデータと紐づけた顧客データの一元管理やアクションオファー機能、離脱防止ポップアップなど、機会損失を防ぐ多彩な機能が揃っています。
引用元:EC FORCE
【参考】大手ECモール4社
ECモールと一言で言っても、各社それぞれ異なる特徴を持っています。大手ECモール4社について紹介するので、ECモールの活用を考えている方ぜひ参考にしてください。
楽天市場
楽天は会員ID数1億2,380万人を擁し、インターネット通販全体で25.2%のシェアを獲得するなど高い集客力を誇るECモールです。選べる3つのプランが用意されており、目的に合わせた形で出店ができます。ネット通販に精通したECコンサルタントがついて販売のサポートをしてくれるので、ECサイト運営の経験がなくても安心して販売を進めていけます。サポートも手厚く、ECサイトの立ち上げからマーケティング・サプライチェーンまでしっかりサポートしてもらえます。
引用元:楽天市場
Yahoo!ショッピング
Yahoo!ショッピングは、月8,000万人以上が訪れるYahoo!JAPAN運営のECモールです。 Yahoo!JAPANをはじめLINEやPayPayなど、グループ企業のサービスとも連携して強力な顧客基盤を築いていて高い集客が見込めます。初期費用・毎月の固定費・売上ロイヤルティが無料となっており、コストを抑えて低リスクで運営を行うことができるのも魅力です。
引用元:Yahoo!ショッピング
Amazon
Amazonは180か国以上で3億人もの人が利用しているECモールです。小口出品・大口出品と出品数に応じて選べる2つのプランが用意されています。商品は1品からでも出品できるので、気軽に運営を始めることが可能です。また、FBAサービスを利用することで、商品の発送から保管・梱包・返品まで一貫して担当してもらうこともできるので、少人数でも運営しやすくなっています。
引用元:Amazon
Qoo10
Qoo10はeBay Japan合同会社が運営するECモールです。8割以上がスマートフォンでの取引と、スマートフォンでの集客に強みを持っています。申し込みから最短3日で販売可能と、非常にスピーディーに運営を開始できます。初期費用・固定費は不要となっており、低リスクで運営を行うことが可能です。毎月の販売実績に応じて販売手数料が変動する仕組みになっており、取引額が上がるほど販売手数料は安くなります。
引用元:Qoo10
ネットショップ・モールの種類については下記記事も併せてご覧ください。
通販を始める前に押さえておきたいネットショップ・モールの種類
後回しになりがちな物流業務で気を付けるべきポイント
EC運営を行う際はECサイトの構築だけでなく、物流業務の体制を整えておくことも大切です。物流業務のポイントもしっかり確認しておきましょう。
【ポイント1】カート、モールに沿った発送スキームの構築
BASEやShopify等のECカートとAmazonやYahoo!等のECモールでは、仕様が異なります。
ECカートの場合は自社である程度与信管理を行う必要があるのに対し、ECモールの場合は与信管理もある程度行ってくれるケースが多いです。複数のサイトを運営する場合は、スムーズに運営を進めていくためにも発送までの流れを手順化しておきましょう。
・納品書や伝票の出し方
・支払い方法
・同梱指示
・到着希望の反映
・配送業者と連携した伝票の発行
【ポイント2】個数、SKUが増えた際の在庫管理
在庫管理も気を付けなければいけないポイントです。在庫管理は、個数、SKUが増えれば増えるほど複雑化し難しくなるものです。商品コードの重複や入力ミスといったヒューマンエラーやシステム連携など、様々なことが原因となり在庫管理に問題が生じる可能性があります。在庫管理が正確にできていないと、商品が足りなくなってしまったり過度に在庫を抱えてしまったりと運営に大きな打撃を与えかねません。
管理体制やシステム環境を整えるなどして、正確に在庫管理が行えるようにしておく必要があります。
【ポイント3】顧客満足度を重視した梱包発送業務
商品を売るだけでなく、売れた後の配送も大切なポイントになります。特に梱包はとても大切で、梱包に不備があると配送中に商品が破損してしまう恐れもあります。
また、指定日や指定時間に届かないといった、配送の遅れもトラブルにつながることがあるので注意が必要です。お客様が満足のいく状態で商品を受け取れるよう、梱包発送の体制を整えておきましょう。
WMSの導入と物流代行の利用のすすめ
取引量が増えてくると、手作業だけでは効率が悪いうえにミスも発生しやすくなってしまいます。効率よく物流業務を行うために、 WMSや物流代行の活用も検討しましょう。
WMSの導入について
物流の品質を高めるためには、 WMSの導入が効果的です。WMSとは倉庫管理システムのことです。入荷管理・在庫管理・伝票発行・出荷管理と物流に関わる一連の業務を一元管理できます。
WMSを導入することによって目視ではなくバーコードによる商品管理が可能となり、商品の取り間違いといった作業ミスを防止でるだけでなく、リアルタイムで正確な在庫数の把握もでき在庫管理も行いやすくなります。
他にも、今まで人の手を必要としていた作業を減らせるため、作業効率が上がり出荷スピードが向上するうえコストの削減にもつながるなど導入するメリットはたくさんあります。
物流代行について
物流の品質を高めるためには、物流代行サービスも便利です。物流代行は、商品管理や発送業務などの物流業務をアウトソーシングできるサービスです。
専門業者に物流を任せることで、早く正確にお客様に商品を届けることが可能になります。また、物流に割く人員を減らせるため、会社として注力したい分野に人員を割いていくことができます。
おわりに
EC運営を行うには、自社ECを構築する方法とECモールを活用する方法の2つの方法があります。どちらを選択するかによって必要となる費用や運営方法は大きく変わってくるので、しっかりと違いを理解し自社に合った方法を選択しましょう。
そして、EC運営を効率よく進めていくには、物流の問題も考えておかなければいけません。
取引量が増えてくると物流業務に割かないといけない時間も人員も増えるうえにミスも発生しやすく、自社ですべて担うのは効率がよくありません。また、物流におけるミスはお客様に迷惑がかかる可能性もあり、信用を失うことにもつながりかねないので注意が必要です。
自社の負担を減らし正確に素早く商品を届けるために、物流はアウトソーシングするのも一つの手です。しっかり体制を整えて、EC運営を行っていきましょう。
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