CIF(Cost,Insurance and Freight)とは?メリット・デメリットやFOBの違いを解説
2022.06.05EC/物流用語集CIF(Cost, Insurance and Freight)とは?
CIFとは、「Cost, Insurance and Freight」の略称です。直訳すると、「運賃・保険料込み条件」の意味になります。
CIFは、国際商業会議所が制定した貿易取引条件(※インコタームズ)の一つです。主に、海上輸送での船積貨物の引き渡しに関する規則の「解釈の仕方」について定められています。
例えば、輸出税関への申告や、保険料・輸入関税などを売主・買主のどちらが負担するかについての解釈などです。
輸送中に何か起きた場合の危険負担(海上保険)の移転は、「貨物が積地で運送人に引き渡された時」とする場合と、「貨物が本船に船積みされた時」とする解釈があり、CIFでは後者と定めています。
このように、どの貿易取引条件を用いるかによって責任の所在が異なってくるため、国際間の貿易取引時に、認識の相違を生まない目的で用いられます。
CIFのメリット
リスク軽減: CIFでは、商品が目的地に到着するまでの輸送リスクと保険が売り手によってカバーされます。
手続きの簡素化: 保険と運賃の手配が売り手によって行われるため、買い手は複雑なプロセスに関与する必要がありません。
コストの予測可能性: CIFは輸送費と保険料を含むため、買い手は費用をあらかじめ知ることができ、費用計算が容易になります。
貿易の安全性向上: 売り手は自身で保険を手配するため、商品が適切に保護されていることを確認できます。
国際貿易での透明性: CIFは、コストとリスク管理における透明性の高さから、国際貿易で広く用いられています。
デメリット
コントロールの低下: 輸送ルートや保険の詳細に関する決定権が売り手にあるため、買い手はこれらの選択に影響を及ぼすことができません。
輸送と保険の選択に制限: 売り手が選んだ輸送会社や保険条件が、買い手のニーズや期待と必ずしも一致するとは限りません。
コストが高くなる: 運賃と保険料の支払いは売り手の負担となり、これらのコストは商品の価格に上乗せされることが一般的です。
手続きが複雑: 輸送と保険の手配を行うためには、売り手は多くの手続きと管理作業を行う必要があります。
小規模な売り手にとっての負担: 特に小規模な売り手にとって、これらの手続きは負担となることがあります。
CIFとFOBの違い
CIFと共に用いられる貿易取引条件の一つに、FOBがあります。FOBとは、「Free on Board(本船渡し条件)」の略称です。
CIFとFOBの違いについて、下記の表にまとめました。
項目 | CIF | FOB |
輸出税関への申告 | 売主 | 売主 |
輸出港までの運搬、トラック荷下、積込 | 売主 | 売主 |
海上・航空運送 | 売主 | 買主 |
輸入港での荷下し | 売主 | 買主 |
輸入港でのトラック積込 | 買主 | 買主 |
受取先への輸送 | 買主 | 買主 |
海上保険 | 売主 | 買主 |
輸入通関・輸入関税 | 買主 | 買主 |
輸出税関への申告と、輸出港までの運搬から積込、輸入通関・輸入関税については、CIFとFOBは同じ解釈となっています。
全体の負担の比率では、CIFの方が売主の負担が多く、FOBの方が買主の負担が多く制定されています。
関連用語
FOB
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