Amazon FBA長期保管手数料の確認方法と対策を徹底解説!
2025.11.27物流・フルフィルメント , ECサイト , EC/物流用語集
「毎月の保管料とは別にかかるの?」 「仕組みがよくわからない…」 「自分のどの商品が対象で、いくら請求されるのか確認したい!」
FBAの長期保管手数料は、Amazon倉庫に商品を一定期間(現在は271日以上)保管し続けると発生する、いわば「ペナルティ」のような追加費用です。
この仕組みを理解せず放置してしまうと、気づかないうちに利益を大きく圧迫し、「思ったより手元にお金が残らない」という事態になりかねません。
この記事では、FBAを使い始めたばかりの方にも分かりやすく、以下の点を徹底的に解説します。
・長期保管手数料が発生する「仕組み」と「最新の料金体系」
・【最重要】セラーセントラルでの「具体的な確認方法」
・手数料を回避・削減するための「3つの具体的な対策」
この記事を読めば、手数料の不安を解消し、自分の在庫状況を正確に把握した上で、無駄なコストを削減する最初の一歩を踏み出すことができます。
個人でアマゾンでの販売を始め、その他のモール型などに進出する際に問題になってくるのが、増えていく在庫管理になってくるかと思います。
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目次
Amazon FBAとは?
Amazonでの販売を拡大する上で、FBA(フルフィルメント by Amazon)は非常に強力なサービスです。しかし、その便利さの裏側には、理解しておくべきコスト構造があります。まずは、FBAの基本と、特に注意すべき「保管手数料」についておさらいしましょう。
Amazon FBAの仕組みを簡単におさらい
FBAとは、Amazonが出品者に代わって、商品の「保管」「注文処理(ピッキング・梱包)」「発送」「カスタマーサービス」「返品対応」まで、一連のバックヤード業務をすべて代行してくれるサービスです。
私たち出品者が行うのは、売りたい商品をAmazonの倉庫(フルフィルメントセンター、略称FC)にまとめて納品するだけです。
商品が売れれば、Amazonが24時間365日体制で自動的に発送してくれるため、私たちは「売上を上げること」「新しい商品を仕入れること」といった、より重要な活動に集中できます。特に、人手が限られる個人事業主にとって、この発送の自動化は最大のメリットと言えるでしょう。
FBA利用で発生する2種類の「保管手数料」
この便利なFBAですが、当然ながら利用にはコストがかかります。様々な手数料がありますが、商品の保管にかかる手数料は、大きく分けて以下の2種類が存在します。
1.在庫保管手数料(月間)
Amazonの倉庫に保管されているすべての商品に対して、在庫の体積(サイズ)と保管日数に基づいて毎月請求される、基本的な手数料です。
2.長期在庫追加手数料(ペナルティ)
Amazonの倉庫に長期間保管され続けている在庫に対して、上記①の月間手数料に加えて請求されるペナルティ料金です。
※以前は「長期保管手数料」と呼ばれていましたが、現在は「長期在庫追加手数料」という名称が使われています。
多くのセラーがFBA手数料が高いと感じ、利益計算が狂ってしまう最大の原因が、この2つ目の長期在庫追加手数料です。
この部分について次の章で解説をしていきます。
具体的なFBAの方法や、注意点について詳細にまとめられている記事は以下になっております。これからFBAを始めたい方はぜひこちらも併せてお読みください。
FBA納品とは?FBAを実施する上での、注意点などを徹底解説
Amazon FBA「長期在庫追加手数料」とは?
多くの個人事業主セラーのキャッシュフローを圧迫する「長期在庫追加手数料」とは、一体何なのでしょうか。
これは、Amazonの倉庫(FC)に一定期間(現在は271日以上)売れずに残っている在庫に対して、毎月の「在庫保管手数料」とは別に追加で課金されるペナルティ料金のことです。
「ただでさえ毎月保管料を払っているのに、さらに追加でお金を取られるの?」
そう思われるのも当然です。なぜAmazonはこのような仕組みを設けているのでしょうか。
なぜ「長期」の手数料(ペナルティ)が存在するのか
理由はシンプルで、「Amazonの倉庫スペースは有限だから」です。
Amazonの倉庫は、たくさんの出品者が共同で利用する場所です。
もし一部の出品者が売れない商品を大量に、長期間置きっぱなしにしたらどうなるでしょうか?
倉庫の棚が、売れない商品(=不良在庫)で埋め尽くされてしまいます。 すると、新しくFBAに納品したい商品や、今まさに売れている人気商品を入荷するためのスペースがなくなってしまいます。
倉庫の回転率が悪くなると、Amazonも、他の健全なセラーも、そして何より商品を買いたいお客様も困ってしまいます。
そこでAmazonは、「古い在庫を置き続けるなら、追加の手数料(ペナルティ)をいただきますよ」という制度を設けているのです。
リソースが限られる個人事業主にとって、このペナルティは死活問題です。売上を生んでいない在庫が、キャッシュフローを悪化させる事態は、絶対に避けなければなりません。
【いつ・いくら?】長期保管手数料の発生条件と計算方法
では、具体的に「いつ」「いくら」の手数料が発生するのか、その条件と計算方法を見ていきましょう。
このルールを正確に把握することが、対策の第一歩です。
発生条件:「271日」を超えた在庫が対象
まず、手数料が発生するタイミングです。非常に重要なので、正確に覚えてください。
・判定日(在庫スキャン日):毎月15日
・対象となる在庫:その時点でAmazonの倉庫に「271日以上」保管されている在庫
毎月15日に、Amazonがすべての在庫の保管日数をチェックします。その時に「271日目」を迎えている在庫が見つかると、その在庫に対して「長期在庫追加手数料」が課金されます。
在庫の日数は、商品(ASIN/SKU)ごと、かつ「先入先出(FIFO)」の原則でカウントされます。 (=1月と5月に同じ商品を納品した場合、1月に納品した古い在庫から先に売れたと見なされます)
よく「保管期間365日(約1年)を超えたら」と誤解している方も多いのですが、現在のルールは「271日(約9ヶ月)」です。思ったよりも早く、このペナルティは発生します。
手数料の計算方法(最新の料金表)
もし15日の判定日に、271日を超えた在庫があった場合、以下の料金が課金されます。
| 長期在庫追加手数料 | |||||
| チェック実施日 | 保管期間が271~300日 | 保管期間が301~330日 | 保管期間が331~365日 | 保管期間が366日以上 | 保管期間が366日以上 最低長期在庫追加手数料 |
| 月1回 (毎月15日) |
16.662円 (10cm × 10cm × 10cmあたり) |
17.475円 | 18.085円 | 34.239円 | 商品1点あたり10円 |
※最新の料金や大型サイズ、メディア商品の区分については、必ずセラーセントラルのヘルプページ「長期在庫追加手数料」でご確認ください。
「1,000立方センチメートルあたり」と言われても、ピンとこないかもしれません。 これは、10cm × 10cm × 10cm のサイコロサイズとほぼ同じです。
もし、365日を超えた在庫(10cm四方)が10個あれば、それだけで毎月約340円(34.239円×10個)が、通常の保管料とは別にかかり続けます。
【最重要】セラーセントラルでの対象在庫・手数料の確認方法
ここが最も重要です。Amazonは、このペナルティ対象在庫を確認するための専用レポートを用意してくれています。 最低でも月に一度、できれば毎月10日頃に、必ずチェックする習慣をつけましょう。
「在庫健全性」レポートを開く

まず、セラーセントラルのトップページから「在庫」タブにカーソルを合わせ、「在庫健全性」または「在庫の管理」→「在庫ダッシュボード」といった項目をクリックします。
ここには、あなたの在庫全体の健康状態(売れ行きや在庫日数など)が集約されています。まずはここで、自分の在庫全体が健全かどうかを大まかに把握します。
「FBA在庫年齢」で対象在庫を特定する

「在庫健全性」のダッシュボード(または関連レポート)の中に、「FBA在庫年齢」という項目があります。
FBA在庫年齢とは?
商品(SKU)ごとに、その在庫が何日間Amazonの倉庫にあるかを示す、非常に重要なレポートです。
このレポートを見ると、「0~90日」「91~180日」「181~270日」…そして「271~365日」「365日超」という区分で、それぞれ何個の在庫があるかが一覧で表示されます。
ここで見るべきは、「271日」を超えている在庫です。 どの商品が「危険水域」に入っているか、ここでまずSKU単位で具体的に特定します。「181~270日」の在庫も「危険予備軍(黄色信号)」として認識し、対策を検討し始める必要があります。
「在庫の保管日数」レポートで手数料の見積額を確認

危険な在庫を特定したら、次に「で、いくら課金されそうなの?」という見積額を確認します。
「レポート」タブ > 「フルフィルメント」の中を探すと、「在庫の保管日数」というレポートがあります。
在庫の保管日数レポートとは?
「FBA在庫年齢」と似ていますが、こちらは特に「次回の課金対象(271日超)」に焦点を当てたレポートです。
このレポートには、非常に重要な「長期在庫追加手数料の見積額」という欄があります。
ここに金額が表示されている場合、それは「次の15日(判定日)に、あなたが今すぐ対策をしないと、この金額が課金されますよ」という警告です。
手数料を回避・削減する3つの具体的な対策
ここからは今からでも間に合う、3つの具体的な対策をご紹介します。
次の判定日(15日)までに実行すれば、ペナルティは回避できます。
「返送」または「所有権の放棄(廃棄)」を行う
最も確実で、根本的な解決策が倉庫から出してしまうことです。 セラーセントラルから返送/廃棄申請を作成します。
返送:Amazonの倉庫から、あなたの手元(自宅や事務所)に在庫を戻すことです。
廃棄:Amazonに依頼して、その在庫を処分してもらうことです。
どちらもAmazonに対して「返送/廃棄手数料」という(長期保管手数料よりは安い)手数料がかかりますが、ペナルティを払い続けるよりはるかに安く済みます。在庫を「廃棄」することに抵抗がある(もったいないと感じる)方も多いでしょう。
しかし、売れる見込みが立たず、赤字を垂れ流し続ける在庫は、経営上の「負債」です。
手元に戻しても置き場所がない、別の販路もないという場合は、損切りも、ビジネスを継続するためには非常に重要となります。
Amazon Outletやセール・クーポンで売り切る
「廃棄や返送はもったいない。少しでも現金化したい!」という場合は、価格を下げることやセールやクーポン設定も消費者心理的には有効になります。
また、Amazonが運営するアウトレットコーナーに出品し、在庫処分価格で販売する方法です。
ただし、これらの方法は判定日(15日)までに「売れる(=倉庫から出荷される)」必要があります。ギリギリの対策だと間に合わない可能性もあるため、240日を超えたあたりから検討を始めましょう。
「自動返送/廃棄」を設定して管理を自動化する
忙しい個人事業主の方に、使ってほしい機能です。
FBAの設定画面には、「長期在庫の自動返送/廃棄の設定」という項目があります。
ここで、例えば「271日を超えた在庫は、自動的にすべて返送(または廃棄)する」と設定しておけば、あなたが何もしなくても、Amazonが自動で処理してくれます。これにより、長期保管手数料の発生を100%防ぐことができます。
在庫管理にリソースを割けない小規模事業者に特に有用な設定となっています。
FBAの複雑な在庫管理に悩んだら「発送代行」という選択肢
もし、あなたがAmazon販売(FBA)と並行して、自社ECサイトや他のモール(楽天、Yahoo!ショッピングなど)も運営している(または、これから始めたい)なら、「発送代行サービス」という選択肢も検討する価値があります。
発送代行とは? FBAとの違い(仕組みとメリット)
発送代行とは、FBA(Amazon)以外の、民間の物流会社が商品の保管・梱包・発送を代行してくれるサービスです。
FBAとの最大の違いは、プラットフォーム(販路)に縛られない点です。
FBAの場合
Amazonの倉庫にある在庫は、原則Amazonで売れた商品しか発送できません。(一部「マルチチャネル」という機能もありますが、割高で制限も多いです)
発送代行サービスの場合
倉庫にある在庫を、「Amazon」「楽天」「自社サイト」など、どの販路で売れても同じように発送(一元管理)してくれます。
複雑な手数料に悩まされないシンプルな料金体系
そして、多くの発送代行会社が提供するメリットは、FBAに比べてシンプルな料金体系であることです。
FBAのように「271日を超えたらペナルティ」といった複雑な追加料金や、「標準サイズ」「大型サイズ」「メディア」といった細かい区分けがない(または、もっと分かりやすい)ケースが多いのです。
ウルロジでは梱包資材費や作業費も込みで全国一律300円からの発送が可能です。

会社全体で2億を超える発送個数や大手配送会社拠点と隣接した倉庫立地による徹底したコスト削減戦略で業界最安値クラスの卸値を実現できています。
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長期保管手数料を理解してキャッシュフローの改善に
Amazon FBAの「長期在庫追加手数料」は、その仕組みを知らないと、知らず知らずのうちに利益を圧迫する非常に厄介なコストです。
しかし、この記事で解説した通り、
・271日というルールを把握する
・セラーセントラルの在庫年齢と手数料見積額を定期的にチェックする
・返送/廃棄・売り切り・自動化の対策を計画的に実行する
これらを徹底するだけで、無駄なペナルティを確実にゼロに近づけることができます。
特にリソースの限られる個人事業主にとって、売れない在庫を管理するために時間(人件費)と費用(ペナルティ)を奪われることは、成長の足かせにしかなりません。
まずはセラーセントラルを開き、あなたの「FBA在庫年齢」をチェックすることから始めてみてください。
そして販路が増える場合や、煩雑な発送作業時間を短縮したい場合は発送代行サービスの検討を始めてみるのが良いでしょう。
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