通信販売・ECでのWMSシステムで在庫管理をするメリットと選び方
2023.09.22物流・フルフィルメント「WMSシステム」は、通信販売やECの在庫管理に役立つシステムです。導入すれば在庫の管理を正確かつリアルタイムで把握できるようになり、業務効率化につながるでしょう。
しかしWMSシステムにはサーバータイプも含め、さまざまな種類があります。自社に適したシステムを選ぶには、選び方の基礎知識が必要です。
そこで今回の記事では、通信販売・ECにおけるWMSシステムのメリットや注意点とともに、選び方のポイントについてご紹介します。
目次
通販・ECにおけるWMSシステムとは?
通信販売・ECにおけるWMSシステムとは、「倉庫管理システム」のことです。主に倉庫におさめられている商品の在庫の管理・把握と、入荷・出荷・棚卸・品質管理業務などを行うのがWMSシステム。
さらに主なECサイトや管理システムと連携できることもあり、出荷作業にかかる手間とコストを削減するために役立ちます。
通信販売を行うには商品の実在庫を正確に把握したり、管理したりすることが欠かせません。WMSシステムを利用すれば在庫確認や出荷状況をインターネット上から確認できるようになり、実在庫の管理や社内での共有がしやすくなります。
通販・ECにおけるWMSシステムの主な機能
通信販売・ECにおいて、WMSシステムは商品の在庫・入荷・出荷・棚卸の管理をはじめ、帳票やラベルの発行にも貢献します。それではWMSシステムのそれぞれの役割について、詳しく見ていきましょう。
入荷管理(受注管理)
まず商品の「入荷管理(受注管理)」は、取り扱っている商品を、それぞれどのくらい入荷するのか、入荷の予定や返品入荷なども含めて把握できる機能です。またラベルの発行や検品、格納を行う機能も備わっています。
在庫管理
「在庫管理」はその名の通り、倉庫におさめられている商品の在庫を管理・照会したり、期限警告をしたりする機能です。
在庫の状況をそのときどきで正確に把握でき、廃棄処理や補充、ハンディ移動についてもリアルタイムな状況を確認しやすくなります。
出荷管理
「出荷管理」は、出荷にかかわる一連の業務をフォローするための機能です。出荷の予定や実績、ピッキングリストの照会はもちろん、引当・引き戻し・ハンディ検品・梱包の状況も確認できます。
棚卸管理
定期的な棚卸のデータや結果・差異について確認できるのが「棚卸管理」機能。棚卸業務は時間と人手が要されるものですが、WMSシステムを導入すれば棚卸の効率化が可能となります。
帳票・ラベル発行
通信販売・ECにおけるWMSには、「帳票・ラベル発行」の機能もあります。帳票やラベルの発行は通信販売・ECの作業にて必要不可欠なものですが、入力や印刷の時間がかかるのも事実です。
WMSシステムであれば出荷はもちろん、棚卸の帳票・ラベル発行も効率化できます。
通販・ECでWMSを導入するメリット
通信販売・ECでWMSを導入すると、どのようなメリットが感じられるのでしょうか。
- 情報のリアルタイム管理によりデータの分析が容易になる
- ピッキング作業のロスを軽減できる
- 倉庫の空きスペースを有効利用できるようになる
- システムの標準化により作業効率を高められる
- 出荷にかかるミスが減り返品管理も行える
- 人件費削減につながる
倉庫内の情報をリアルタイムで管理できるようになれば、データの分析が容易になり、さらにピッキング作業のミスも軽減できます。倉庫の空きスペースを把握しやすくなり、有効活用できるようになるメリットもあるでしょう。
またシステムの標準化によりミスが減ることから、人件費削減にもつながります。通信販売・ECにおけるWMSシステムの導入は、トータルで企業の出荷・商品管理に関わるロスを減らすものです。
通販・ECでWMSを導入する際の注意点
通信販売・ECにおいてWMSを導入することにはメリットもありますが、注意点があることも事実です。
最大の注意点は、WMSシステムを利用するための利用料金がかかることでしょう。
システムを導入しなければかからなかった費用がかかることになり、人件費削減につながるとのメリットを考慮しても、企業にとってプラスになるのかと悩む方もいるかもしれません。
導入するには設備投資はもちろん、人材育成にもコストがかかることもあるはずです。通信販売・ECにおける在庫管理を行うWMSシステムの注意点については、次の記事で詳しく解説していますので、導入前にぜひご一読ください。
通販・ECにおけるWMSシステムの選び方のポイント
注意点もあるものの、やはりメリットも大きいWMSシステム。通信販売・ECにおいてWMSシステムを導入するなら、どのようにシステムを選ぶべきなのでしょうか。選び方のポイントについて解説します。
機能
まずは自社にとって必要な機能が備わっているかどうかを確認してください。たとえば倉庫の現状を把握するため、在庫や製品を効率よくピッキングするため、倉庫内での商品の場所を的確に把握するため…など、WMSシステムの導入を検討した理由はさまざまでしょう。
自社にとって通信販売やECにおける在庫管理にどのような課題があるのか、システムを導入する前に洗い出してみると、必要な機能が明確になるはずです。
料金
WMSシステムを導入するにはコストがかかるため、料金面を確認することも欠かせません。料金からシステムを選定するためのポイントは、「機能性と費用面のバランスがとれていること」です。
料金が安くても求める機能が備わっていなければ意味がありません。しかし反対に機能性を求めるあまり、不要な機能が多数備わっていても無駄な支出となってしまいます。
ひとつ前の項目でご紹介したように、自社にとって必要な機能を洗い出し、それを実現しながらもコストを抑えられるシステムが最善です。
サーバーのタイプ
通信販売・ECにおけるWMSシステムを選ぶ際には、「サーバータイプ」を確認してください。WMSシステムには「クラウド型」と「オンプレミス型」「パッケージ型」の3種類があります。
サーバータイプ | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
クラウド型 | インターネット上にデータを蓄積するタイプ | ・端末や場所を問わず利用できる ・自社でサーバーを構築する必要がない ・低コストで導入可能 |
・インターネット環境がなければ利用できない ・バージョンアップによる安定性への不安がある |
オンプレミス型 | 自社にサーバーを設置して運用するタイプ | ・安定感がある ・自社に適したシステムを構築しやすい ・既存システムとの連携がしやすい |
・自社内にサーバーを設置しなければならない ・コストがかかる ・導入までに時間がかかる |
パッケージ型 | 完成品のソフトウェアをパソコンにインストールして使用するタイプ | ・低コストで導入可能・サーバー構築の必要性がない ・規模の小さな企業でも無理なく、手軽に導入しやすい |
・既製品であるためカスタマイズ性に乏しい ・クラウド型よりコストが高額になる傾向 |
どのサーバータイプにも一長一短があります。まずはどちらのタイプのほうが無理なく運用できるかを考え、求めるサーバータイプの中からより適したシステムを選びましょう。
ユーザビリティの高さ
WMSシステムの選び方ポイントとして次にご紹介するのは、「ユーザビリティの高さ」です。WMSシステムを導入した場合、使い方を覚えなければなりません。
ユーザービリティの低いシステムを導入すると、使い方を覚えるまでに時間がかかり業務効率が落ちたり、勉強会を開かなければならなくなったりすることもあります。
慣れない人でも使いやすい操作画面であるもの、使い方がわからないときに電話やメールでサポートが受けられるものを選びましょう。
導入のしやすさ
最後に確認したい選定ポイントは、導入しやすいことです。たとえばシステムによっては、導入までに数ヶ月かかることもあります。
オンプレミス型では特に、要件にあったシステムを開発して、サーバーを設置するためのスペースを確保し、設置して…と、導入までの期間が長くなりがちです。
その点ウルロジでは、打ち合わせから稼働まで、最短2週間となっています。導入に際しては企業の課題をお聞きし、それに見合ったシステム設定を行い、運用フローを確認していただくだけ、と非常に導入しやすい通信販売・ECのためのWMSシステムです。
通販・ECのWMS利用はEC物流代行業者への委託がおすすめ
通信販売・ECにおいてWMSシステム導入は利便性の高いものですが、WMSシステムを導入しているEC物流代行業者に委託するという選択肢もあります。
物流代行業者に依頼する場合、導入コストをかけずにWMSシステムを利用可能です。もちろん在庫の状況把握や出荷業務の簡易化も実現し、それに関わらず作業ミスも減らせるでしょう。
WMSシステムを導入しているEC物流代行業者への委託であれば、WMSシステムのメリットを得られるうえに、さらに通信販売・ECに関わる業務を委託することが可能です。
もし通信販売・ECにおいてWMSシステムや物流代行業者委託の導入を検討されているなら、こちらの記事も参考にしてください。委託のメリットとデメリットについて詳しく解説しています。
>>WMSを導入しているEC物流代行業者へ委託するメリットとデメリット
通信販売・ECにおけるWMSシステムを選ぶ際は慎重に!
通信販売・ECNにおけるWMSは在庫管理に役立つシステムで、通販業務の簡易化・効率化に貢献してくれるでしょう。
しかしWMSシステムと一言で言っても、さまざまな種類があります。今回ご紹介した選び方のポイントを参考にしながら、自社に適したシステムを選ぶことが重要です。
また選択肢のひとつとして、通信販売・EC関連業務を、WMSシステムを導入しているEC物流代行業者に委託することも検討されてみてください。
委託をすればコストをかけずWMSシステムを利用できますし、さらに通信販売・EC関連業務を委託できるようになります。
弊社ウルロジでもWMSシステムの提供を行っており、在庫・受注・出荷などの管理に対応しております。
ウルロジのWMSシステムにご興味のある方は、ぜひこちらのページをご覧になってください。
>>ウルロジの通信販売・ECにおけるWMSシステムについて詳しく見る
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