流通加工とは?流通加工の重要性と外注するメリットについて
2023.12.06物流・フルフィルメント商品が原材料から製造され販売、消費者に届くまでの流通過程において欠かせない業務の1つが「流通加工」です。
商品が問題なくお客様に届くため、または商品価値を上げるために流通加工は重要な業務となっており、生産工場はもちろんの事、商品を保管し出荷する物流倉庫でも流通加工の作業は行われています。
大手企業は流通加工まで一貫して行うことが多いのですが、中小企業などはスペースや人員、予算などの問題があり流通加工を自社ではなくアウトソーシング、外注の専門業者に委託する企業も多く存在します。
今回は流通加工とは具体的にどのような工程なのか、企業や顧客にどのような利点があるのか、また流通加工を外注するとどのようなメリットがあるのかを解説します。
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目次
流通加工とは
流通加工とは商品が製造され、梱包や出荷されて消費者に届くまでの流通過程で商品をさらに加工し、お客様にとってよりメリットがあり、価値が高い商品にする作業のことを指します。
例えば商品を専用のパッケージに梱包する業務、小売店用に検品し、検品済みのシールを貼り値札をあらかじめつけておき販売店では陳列するだけで済むようにする業務、セット商品の詰め合わせ、同梱業務など取扱商品に応じて様々な業務があります。
また大きな商材などは原材料を加工する工場から物流倉庫に運ばれ、そこで組み立て業務を行うという流通加工の部署も多く存在します。
食品でもお惣菜ができる前の肉や魚、野菜などの原材料の切り分け製造部で調理しやすくする加工や調理後の袋詰め、パック作業や値札貼りなども流通加工と言えます。
商品を製造する部署では製造の生産性を良くする専門機材しか揃っていないことが多くこのような細かい加工、または商品形態によって臨機応変に作業するためのスペースや機材、人材などが不足しています。
そのため製造部署とは別の物流倉庫で行われ、または専門の外部企業に委託することが多くなるのです。
流通加工を行う場所は商品にもよりますが、様々な場所で製造された部品や材料、商品や箱などをまとめられる物流倉庫が担うことで効率よく行うことができます。
これら流通加工には商品の組み立てや原材料の切り分けなど直接加工や組み立てを行う「生産加工」と、商品のラッピングや梱包、また値札やアソート商品をまとめ販売しやすくする「販促加工」の2種類が存在します。
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流通加工の重要性
流通加工を行った商品とそうでないものでは商品価値に差が出ます。
いくら生産性を向上させ、一度に大量の商品が作られたとしても、それを販売用に梱包したり詰め替えたり、店頭に並べやすいように加工を行わなければ相手先の販売店からの信頼を損ねてしまったり、お客様が商品を手に取ることがないでしょう。
例えばスーパーやコンビニに生肉を卸す際、自店で肉を切り分けパック詰めするスペースや機材がない店舗は流通加工されパック詰め、さらに自店の値札まで貼ってくれる製造会社があれば確実にそちらと取引するでしょう。
流通加工をなぜしないといけないのか
例えば店頭にアパレル商品が並んでいたとして、服が検品された「検針済」と書かれたシールが貼ってある場合と何も貼っていない商品があった場合、お客様が手にとるのはほぼ確実に「検針済」というシールが貼ってある商品です。
これは針が混入していないかという検品を行い、検品したスタッフの印を押したシールを貼るという流通加工でお客様に安心感を与え、商品価値が高まったと言えます。
また製造工場では商品の各パーツを製造する生産性を高めることに集中しているため十分なスペースや人材が確保できません。
そのため各パーツ類を流通加工専用の倉庫に集めて組み立てや検品などを行います。
消費者はニーズに合った商品であるということはもちろんのこと、使用しやすく安心できる商品を求めています。
商品の信頼性や価値を高め、お客様の信頼を得てさらなる売上につなげるために流通加工はとても重要な工程なのです。
流通加工を行うとどのようなメリットがあるのか
流通加工を行うことで商品価値を向上させることができ、増益と顧客の信頼を得ることができます。
前項で例にあげた何もシールが貼られていないアパレル商品と「検針済」とスタッフの印鑑が押されたシールが貼られた商品があった場合、シールが貼られている商品の信頼性は高くなります。
この商品は安全ですという印になり商品価値が高まったと言え、全く同じ商品で多少値段が高くても顧客はシールが貼られた商品を選ぶでしょう。
もちろん商品代金には流通加工を行った人件費やシールの費用が上乗せされ価格は高くなりますが、大量に生産されれば流通加工を行わない商品との価格差はさほど大きくはありません。
また、この商品を取り扱っている企業の商品は安全だという印象を顧客に与え、他商品の売上にもつながるでしょう。
商品の材料を購入して顧客が組み立てを行うような商品も、自社ですでに組み立てられ、検品までされた商品は多少値が張っても消費者は組み立て済みの商品を選び、安心を優先させるでしょう。
流通加工には顧客に安心感を与え、顧客や販売店の作業負担を軽減させくれるメリットがあるのです。
流通加工で起きる主な課題
商品価値を高めることにより販売側にも顧客にもメリットがある流通加工ですが課題もあります。
特に中小企業に関しては自社のスペース問題があり、商品を製造した後、流通加工で検品、セット組みなどを行った場合、
既存の商品でスペースがいっぱいになってしまい新たな商品開発や製造に取り掛かりにくいのです。
新たに流通加工の人材を採用し、顧客のニーズに合わせて流通加工の内容も変わってくるため臨機応変に人材やスペースを確保しなくてはならないのです。
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流通加工を外注するメリット
近年は流通加工の重要性が高まり、流通加工を行う専門の外注業者、または物流倉庫と流通加工を行うアウトソーシング専門の企業なども多くなっています。
企業の発注どおりの流通加工業務を1点あたりいくら、という単価で請け負ってくれるため無駄のない加工料金で行うことができます。
また、スペースや人材をその都度増やしたりする必要がなく、特にこれらの問題を抱える中小企業にとってはメリットが多いと言えます。
流通加工を行っている企業の主なサービス
流通加工を請け負う企業のサービスとしては大きく分けると製品加工と販促加工があります。
主な生産加工サービス
- 材料の加工
- 商品の組み立て
- 梱包
- 食品の切り分け
主な販促加工サービス
- 値札やラベル貼り
- 福袋作成などのセット組み
- ハンガー掛け
- 食品の小分けや袋詰め
- ギフト包装や熨斗の貼り付け
- 検針
これら生産する上、または販売する上で重要な商品加工を製造元や小売元のニーズに合わせて業務を行います。流通加工を含む、発送業務は売上が上がると共にリソースを割く必要が出てきます。自社だけで対応できない場合は、発送代行を利用するとよいでしょう。発送代行は、発送に関わる一連の業務を代行してくれるサービスです。物流のプロが対応してくれるため、変化に合わせた質の高いEC物流を実現できます。
おわりに
流通加工は商品価値を高め顧客の信頼を得るためにとても需要な業務です。
流通加工を行う部署を設ける、または外部の専門業者に委託することで、企画から製造、また販売までそれぞれの部署が集中して役割を果たすことができるのです。
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