【ECスタートアップ】ECモールに出店するまでのポイントを徹底解説!
2024.01.23店舗運営
インターネット上の仮想ショッピングモールである「ECモール」の利用者数は、大手3社を合わせると、1か月あたり1億2千万人以上 [※] にのぼります。
集客力や、商品・ブランドの認知度アップの目的でECモールへの出店を考えているけれど、「何から始めるべきか?」「どのような点に気を付ければ良いのか?」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はECモールを出店するまでのポイントについて、ECスタートアップ向けに全11項目で徹底解説します。
目次
ECモールとは?自社ECサイトとの違い
ECモールとは、インターネット上の1つのモールの中に、複数の企業やショップが出店して商品を出品する仕組みと、そのプラットフォームのことを指します。
ECの様式として「自社ECサイト」もあり、他社のECモールのプラットフォームを利用せずに、自社で独自に運営するのが自社ECサイトです。
ECモールと自社ECサイトとの大きな違いは、集客力や手数料にあります。
ECモールの場合、モール自体の知名度や信頼度を活用できるため集客力が高く、販売システムが整備されていることで始めやすいのが特徴です。
対して自社ECサイトは、システム手数料や販売手数料などがかからないため利益率が高く、独自のデザインや設計でオリジナリティを打ち出せるという利点があります。
ECモールへの出店が向いている店舗とは?
明確な違いのあるECモールと自社ECサイトですが、特にECモールへの出店が向いているのは、次のような目標を掲げている店舗です。
店舗開設・運営の予算・工数をなるべく抑えたい
ECモールへの出店が向いているのは、店舗開設・運営にかかる予算・工数をなるべく抑えたい店舗です。
ECモールの場合、販売システムが整備されたプラットフォームを利用できるため、1からECサイトを構築する必要がありません。そのため、店舗開設にかかる予算・工数を抑えられ、安価でスピーディーにショップを出店できます。
また、ECサイトの構築についての専門知識がなくても、用意されたフォーマットに従って登録するだけで出店できるため、学習費用もかかりません。
さらに、独自にサーバーやドメインを取得する必要がないため、店舗開設後の運営の予算も抑えられます。
開設当初から販売個数を見込みたい
ECサイト自体の知名度が低い場合、開設しても思うように集客できず、商品の販売個数が伸びないことも考えられます。
ECモール自体の知名度が高く、すでに多くのユーザーを抱えているモールを利用することで、ECモール自体の集客力の恩恵に与ることが可能です。
そのため、スタートアップとして短期間で成長し、ショップ開設当初から販売個数を見込みたい店舗は、ECモールへの出店が向いていると言えます。
ECモールへ出店するまでのポイント
実際にECモールへ出店するまでのポイントについて、全11項目で徹底解説します。
①コンセプト・ショップ名の検討
まずは、出店するショップのコンセプトを明確にし、ショップ名を決めましょう。コンセプトやショップ名はブランディングにもつながるため、重要なポイントです。
はじめにコンセプトを検討しておくことでゴールが明確になり、サイトデザインやどのECモールを利用するかといった検討事項も、スムーズに進められるという利点もあります。
ECモールでは多くの店舗が出店しており、似た商品があった時にブランド名やショップ名で検索・判別することも多いため、ショップ名を決める際には、何を販売しているショップか分かりやすく、シンプルで覚えやすい名称にすると良いでしょう。
②提供する商品の準備
次に、提供する商品を準備します。取り扱う商品を決める際には、ターゲット層のユーザーのニーズを考慮するようにしましょう。
商品のイメージができたら、仕入れの手段やマーケティング戦略も決めておくことで、EC運営の軸が明確になります。
③出店モールの検討
出店モールを検討する上で参考になる、主要な4つのECモールをご紹介します。
楽天市場
楽天市場は、楽天グループ株式会社が運営する国内最大級のECモールです。
店舗数は5万店以上、特に食品・生活用品・ファッションの分野に強く、2020年の国内EC流通総額は4兆5,000億円 [※] にのぼります。
また、楽天会員ID数が1億2,380万 [※] と、抱えているユーザーも非常に多いため、集客力のあるECモールに出店したい店舗におすすめです。
公式サイト:楽天市場
Yahoo!ショッピング
Yahoo!ショッピングは、Yahoo! JAPANが提供しているECモールです。ショッピング事業の取扱高は、2020年度の累計で1兆5,014億円 [※] となっています。
出店数は117万店以上 [※] と国内最大規模の店舗数を誇り、初期費用・月額費用がかからないため、コストを抑えて小規模から出店したい店舗におすすめです。
公式サイト:Yahoo!ショッピング
【2021年最新版】国内のECサイト・ネットショップの総稼働店舗数
Amazon
アマゾンジャパン合同会社が運営するAmazonは、世界中で190万 [※] を超える中小企業が出店しているECモールです。
国内の会員数は、楽天やYahoo!に比べると少ないものの、世界中に2億人以上 [※] のAmazonプライム会員がいます。
Amazonでは、同じ商品は1つのページに表示するという規約 [※] があるため、すでに販売されている商品へ相乗りすることによって効率的な出品が可能です。
ただし、出店しやすい反面、価格競争になりやすいため、オリジナル商品や認知度が高いアイテムを取り扱っている店舗に向いているECモールと言えます。
公式サイト:Amazon
Qoo10
Qoo10(キューテン)は、eBay Japan合同会社が運営するECモールです。Amazonと同様に、商品のデータのみを掲載するマーケットプレイス型を採用しています。
出店数は1万5千店程 [※] で、特にコスメやファッションのカテゴリーに強く、安く購入できる「共同購入」の仕組みも特徴的です。
成約時に6~10%の販売手数料が発生するだけのシンプルな料金体系であるため、ECモールへの出店が初めての方や、初期費用を抑えたい店舗に向いています。
公式サイト:Qoo10
ECモールと自社ECサイトのどちらを利用すべきかお悩みの方は、下記の記事も参考になるかと思います。
【ECスタートアップ】自社ECとECモールのメリットとデメリット
④決済方法の確認
利用するECモールによって、選択できる支払い方法が限定されているため、決済方法を確認しましょう。
例えば、クレジットカード決済、コンビニ決済、代金引換(代引き)、後払い決済、外部ID決済などの支払い方法があります。
販売する商品や、ターゲット層に適した決済方法を選択するとよいでしょう。
⑤受注管理方法の検討
実際に商品の注文を受けた時のために、どのような受注管理方法を採用するかを検討しましょう。
複数のECモールへ出店する場合、注文に関する工程を一元化したOMS(注文管理システム)も検討することもおすすめします。
ECモールの受注管理に役立つ一元管理システムについては、下記の記事で詳細を解説しています。
【EC運営】一元管理システムとは?機能とメリット・デメリットについて
⑥在庫保管・管理方法の検討
ECモールの運営が軌道に乗ると、取り扱い点数や在庫数が増えるため、在庫保管方法や管理の課題が出てきます。
利用するECモールの受注管理システムや出荷システムと連携できるか、といった点を考慮し、自社に最適な在庫保管・管理方法を検討するようにしましょう。
⑦出荷フローの構築
梱包資材の準備と、出荷までの流れ(出荷フロー)の構築も重要なポイントです。
梱包資材の準備
商品の種類や大きさに合わせ、梱包材・緩衝材を準備します。梱包資材には、段ボール、出荷袋、封筒、緩衝材付き封筒などがあるため、商品の特性に応じて使い分けましょう。
ピッキング・梱包・出荷フローの構築
注文が入った商品を倉庫内で集める(ピックアップする)ことをピッキングと言います。商品のピッキングから、梱包を行う作業台、出荷までの作業動線を検討し、効率的な出荷フローを構築しましょう。
⑧配送業者・配送手段の検討
ECモールの運営において、適切な配送業者・配送手段を選定することも重要です。
配送業者の種類
主要な3つの配送業者をご紹介します。
日本郵便
日本郵便は、日本郵政グループの一つである日本郵便株式会社の配送サービスです。
サービスの特徴として、コンビニエンスストアで荷物の受付や受取ができる「ゆうパック」や、10個以上同時に配送依頼をおこなった場合の複数口割引があげられます。
ヤマト運輸
ヤマト運輸株式会社は、ヤマトホールディングス株式会社が事業展開している配送業者です。小さな荷物を送るメール便から、450サイズまでの大きな荷物まで対応しています。
佐川急便
佐川急便株式会社は、SGホールディングスグループのデリバリー事業を担う企業です。飛脚宅配便をはじめ、500サイズまでの大きい家具などを運ぶチャーターサービスも提供しています。
配送手段
ECモールの商品配送手段は、主に「ポスト投函便」と「宅配便」の2種類です。
ポスト投函便
ポスト投函便の代表的なサービスとして、ヤマト運輸の「ネコポス」や、日本郵便の「ゆうパケット」があげられます。
本やCDのような冊子状のものであれば、「クロネコDM便」や「ゆうメール」、佐川急便の「飛脚メール便」などのメール便も検討するとよいでしょう。
宅配便
宅配便は、ポストに入りきらない大きさの荷物を直接手渡しで配送するサービスです。ヤマト運輸の「宅急便」や、日本郵便の「ゆうパック」、佐川急便の「飛脚宅配便」などがあります。
ポスト投函便についての詳細は、下記の記事で解説しています。
なお、ECモールでの商品の受注から梱包出荷・配送までの一連の物流業務は、外部委託(アウトソーシング)することも可能です。詳しくはこちらを参考にしてください。
物流アウトソーシングのメリットと注意点を様々な視点からご紹介
⑨サイトデザインの制作
各ECモールのフォーマットに沿って、サイトデザインを制作します。1からデザインを構築できる自社ECサイトに比べると自由度は制限されますが、可能な限りカスタマイズし、商品やブランドの魅力を表現しましょう。
⑩開業届
楽天市場のECモールを利用する場合、出店には個人事業者としての「開業届」の提出が必要です。その他のECモールでは、開業届が必須ではない場合もありますが、開業届があることで節税効果や信頼度を高められるといったメリットがあります。
⑪必要な営業許可や資格
ECモールで販売する際に、営業許可や資格が必要な商品があります。例えば食品の場合、
「食品衛生法に基づく営業許可」や「食品衛生責任者」、酒類では「酒類の販売業免許」などです。
おわりに
ここまで、ECモールを出店するまでのポイントについて解説してきました。
ECモールを利用すると、そのモール自体の高い集客力と販売システムを活用できるため、スタートアップとして短期間で成長することが期待できます。
ECモールへの出店時には、商品・ショップ名・コンセプト・出店するモールの選定はもちろんのこと、実際に商品が売れた際の受注管理方法・出荷フロー・配送手段の構築なども必要です。
作業効率や管理の簡略化が求められるECモール運営では、受注から配送までの一連の物流業務をアウトソーシングすることもおすすめです。
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ECモールへの出店の際には、お気軽にご相談ください。
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